「ダイエットをしているのに脚の太さは変わらない。太っていないのに足が太く見える。」そういった脚の悩みを抱える方も多いことでしょう。さらに、生理痛がひどかったり、骨盤の歪みを感じる方、特に下半身が疲れやすい方、股関節痛や膝痛が慢性化している方も多く来られます。
これらの症状、実はO脚やX脚から来ている可能性があります。今回は特に、X脚に焦点を当ててみましょう。
O脚・X脚ってどんな状態?
まず、O脚やX脚とはどのような状態なのかをご説明します。O脚は、下半身の骨盤や膝の位置がずれている状態を指します。
内反膝(ないはんしつ)とも呼ばれ、この状態では両膝が外側に曲がってしまいます。両足首をくっつけても、両膝の内側が接触せず、距離が開いている状態です。
一方、X脚は外反膝(がいはんしつ)と呼ばれ、両膝が内側に曲がってしまう状態です。両膝の内側をくっつけても、両内くるぶしが接触せず、距離が離れている状態です。
乳幼児の膝は生まれつきO脚の傾向があり、歩行を始める過程で段階的に外反膝へ変化していきます。
2~6歳頃にはX脚気味の状態となり、その後徐々にバランスが整い、成長とともに脚の形が安定します。
一般的に、成人の下肢形状は約7歳頃に定着するとされています。このようなプロセスを通じて、O脚やX脚の状態が形成されるのです。
X脚を放っておくと
X脚を放っておくと、以下のような状態が進行する可能性があります。
・X脚はO脚よりも膝関節に対する圧迫が強く、年齢を重ねるにつれて膝や股関節に痛みなどの症状を引き起こすことがあります。
・X脚の特徴的な「外反膝(がいはんしつ)」の状態になると、膝蓋骨が外側にずれようとする力がかかります。
このため、「膝蓋大腿骨不安定症(しつがいだいたいこつふあんていしょう)」や「膝蓋軟骨軟化症(しつがいなんこつなんかしょう)」などの症状が発生する可能性があります。
・ランニングなどの活動においても、鵞足炎(がそくえん)と呼ばれる障害が起こることもあります。
さらに、X脚の歪みが強い人は将来的に、変形性の膝関節症や股関節症に罹る可能性が高くなります。
・足の親指に過度な体重がかかりやすいため、「足底筋膜炎(そくていきんまくえん)」や「外反拇趾(がいはんぼし)」といった症状の進行も考えられます。
X脚は放っておくと、膝や股関節、足の健康に悪影響を及ぼす可能性があるため、早期に適切なケアや専門家の指導を受けることが重要です。
X脚になってしまう原因
X脚の原因は、以下のような要因が考えられます。
1.姿勢の悪化: 正しい姿勢が保たれないと、脚の骨盤や膝の位置が歪むことがあり、X脚の原因となります。
2.筋力・柔軟性の不均衡: 脚の筋肉や関節周りの柔軟性に乱れがあると、脚の形が歪むことがあります。
3.関節の緩み: 関節の安定性が低い状態は、X脚の発生につながることがあります。
4.ビタミンD不足: ビタミンDは骨の成長と健康に重要です。不足すると脚の形成に影響を与え、歪みの原因となることがあります。
5.生活習慣や動作の癖: 不自然な座り方や歩き方、日常的な癖が脚の形成に影響を及ぼすことがあります。
子供のX脚は早期のケアや矯正で改善可能ですが、成長した大人では骨の形状を完全に元に戻すのは難しい場合があります。
長期にわたり股関節が内側に捻れる座り方を続けると、股関節が緩む可能性があります。正常な股関節動きを回復するのは難しい課題です。
骨盤矯正は方法の1つですが、股関節のねじれを防ぐには筋力トレーニングが重要です。筋力を回復させ、股関節や脚の骨の位置を安定させます。
矯正や筋トレには時間がかかるかもしれませんが、正しい方法で取り組むと症状が緩和し、改善する可能性があります。
医療専門家や整体師の指導のもと、個別のアプローチを考えることが大切です。
病院での治療
生理的なO脚・X脚は通常、自然に改善する傾向があり、特別な治療は必要ない場合が多いです。
一方、病的なO脚・X脚の場合、保存療法と手術療法の2つのアプローチがありますが、保存療法に関する意見は分かれています。
保存療法には、装具を使用して形態を整える方法が含まれますが、その効果には個人差があります。変形が進行している場合や症状が顕著な場合には、効果が限定的であるとされています。
変形が進行している場合や症状が重篤な場合には、手術療法が必要になることがあります。手術療法では、下肢の形態異常を矯正するために骨切り術が行われることがあります。
また、状態に応じて、staple固定術(ホッチキスの針のようなものを挿入する手術)も選択されることがあります。
病的な状態については、早期の診断と適切な治療が進行を抑制し、健康な脚の形を保つのに役立つでしょう。
最後に
脚やX脚は個人によって異なるタイプや進行度があり、生活環境や習慣にも影響されます。
確かに、手術が悪いわけではなく、すべての場合が手術なしで改善するわけではありません。個々の状態に応じて適切な治療を選ぶことが大切です。
ただし、必ずしもO脚やX脚が手術を要する疾患ではないことも事実です。逆に、症状が自然に改善されることも期待できない場合があります。
日常の癖や姿勢をそのままにしておいても、症状が自然に消失することは難しいことがあります。
まずは、自分の脚の状態を正確に理解し、自分自身でできることを試してみることが大事です。
足改善センターでは、患者の症状や悩みをしっかりと受け止め、解決策や改善方法を提供しています。自分の脚の可能性や必要な期間などを丁寧に説明し、施術を行っています。ぜひ一度当店にご相談ください。